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機関誌「流通情報」バックナンバー

No.565 | Vol.55 No.4(2023年11月発行)

特集 ポストコロナの消費者行動

特集にあたって

祝 辰也
公益財団法人流通経済研究所 上席研究員/流通ビジネススクール 統括

我が国における個人消費の動向と変化

大澤 朗子
総務省 統計局 統計調査部 消費統計課 調査官

 

 我が国における個人消費の推移を家計調査の結果でみると、新型コロナウイルス感染症による最初の緊急事態宣言が出た2020年4月に、世帯の消費支出は前年に比べ大きくマイナスに転じて以降、増減を繰り返しながらも、緩やかに持ち直しているようにみえる。他方で、直近では、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類感染症へと移行したことに伴い、対面型サービスの消費回復が期待される中、物価の影響を除いた実質消費支出はマイナスが続いており、物価高による消費の下押しが懸念されている。世帯の消費動向がコロナ禍を経てどのような変化があったのか、消費統計の結果から概観する。

キーワード: 消費支出、新型コロナウイルス感染症、物価、平均消費性向、可処分所得
新型コロナウイルス感染症の流行下における消費者の購買行動と買物意識の変化
 ―「ショッパー・マインド定点調査(2020年1月~2023年7月)」より

鈴木 雄高
公益財団法人流通経済研究所 主任研究員

 

 本稿では、流通経済研究所が実施している「ショッパー・マインド定点調査」の結果より、コロナ禍前から、本格流行期を経て、5類移行後に至る3年間における、消費者の購買行動と買物意識の変化を確認した。その結果、コロナ禍前に比べて各小売業態を「高頻度(週2回以上)」で利用する消費者は減少し、「買物習慣なし(月1回以内の利用なし)」の消費者が増加したことがわかった。このことから今後しばらくは、各業態で「高頻度」利用者は増加せず、「買物習慣なし」の消費者が増加する可能性がある。また、この期間に買物意識や支払方法の変化が生じたことも確認した。

キーワード: 新型コロナウイルス感染症、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ショッパー・マインド定点調査
購買データからみたコロナの流行と収束による食品購買の変化

田嶋 元一
公益財団法人流通経済研究所 研究員
山﨑 泰弘
公益財団法人流通経済研究所 常務理事

 

 本稿では、消費者購買履歴データ(QPR™)を用いて、新型コロナウイルス感染症の拡大・収束期における食品購買状況を分析した。増税の影響は含まれるものの、コロナ禍を経て、消費者の食品購買金額は増加傾向にある。これは消費者側のコロナ対応のみに影響されたものではなく、むしろ各小売業の戦略的な取り組みの成果が実を結んだ結果であると考察される。

キーワード: コロナ、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、購買行動
人流の変化:コロナ前後での生活者行動とインバウンド需要

江島 賢一郎
株式会社ドコモ・インサイトマーケティング 代表取締役社長

 

 コロナ前後(2019年~2023年)の日本の生活者意識、および消費支出の変化を確認したうえで、式会社ドコモ・インサイドマーケティングが提供する新しい統計データサービス「モバイル空間統計®」を用いて、日本人および訪日外国人の人流をコロナ前後で比較した。
インバウンド需要が期待される訪日外国人は、欧米圏からの人流が大幅に増加しており、観光地として従来から人気の高い銀座や京都といった都市部だけでなく、日本ならではの体験や景観に触れる目的で、金沢のような地方都市も巡っている。
コロナ禍を経て、国内旅行およびインバウンド需要に対応するためには、カスタマーエクスペリエンスの再設計が求められる。

キーワード: 人流データ、モノからコト消費、旅行・観光、インバウンド需要、CX(カスタマーエクスペリエンス)設計

対談 リーダーの戦略

㈱西友の小売マーケティングの現状とこれから

大久保 恒夫
株式会社西友 社長 兼 最高経営責任者(CEO)

聞き手 中村 博
公益財団法人流通経済研究所 理事
中央大学大学院戦略経営研究科 教授

視点

視線研究とアテンション・ベースト・マーケティング

里村 卓也
慶應義塾大学 商学部 教授

資料紹介

海外の流通&マーケティング

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